多地点遠隔講義環境における音情報を用いた雰囲気の推定と可視化手法の検討

摘要

本研究の目的は，音情報によるインタラクションが難しい多地点遠隔講義環境において，遠隔地の受講者の音情報を利用して受講者の雰囲気を推定するとともに，講師が把握しやすい可視化手法を検討することである．多地点遠隔講義では複数ある受講拠点から同時に音声が入力されると誰が話しているかわからなかったり，エコーやハウリングの原因になりやかったりするため，受講時に音情報を送信しないケースがしばしばある．しかしながら，こうした音情報の欠落により，講師側で受講者の講義に対する雰囲気を把握することが困難どなる．こうした課題を解決するため本研究では，各受講者の「講義への緊張感」，「講義への参加意欲」などを受講者の音情報から推定することを目指す．具体的には，ブラウザ間でリアルタイムコミュニケーションを実現するAPIであるWebRTCによる多地点遠隔講義環境を実装し，受講者側の音情報をモニタリングして雰囲気に関連する情報を収集するとともに，講義進行の妨げとならないように雰囲気情報を可視化する手法について検討する．