木質液化処理物による建設発生木材の再資源化

摘要

廃コンパネおよび伐根材を木材－ウレタン樹脂複合体の骨材および結着剤に利用することで，これら全ての部位を再資源化することができた。 試作した試験体は一般的なポーラスコンクリートと比べて透水性に優れるものの強度は劣っている。 強度を高めるには，試験体の密度を上げるか接着剤である樹脂量を増すことで対応できるが，本検討で用いたような「建設発生木材」を利用する場合，力学性能よりも低密度と多孔性を活かし，法面の防草資材や緑化基盤材など親環境型素材としての用途開発を進めた方が良いと考えられる。 今後，使用用途に応じて密度，骨材の配向，エレメント寸法，耐久性などを考慮した試験体成型と評価を行う必要があろう。また，建設発生木材の生じる現場で再資源化するための技術開発と用途開発が必要であろう。