2つのネットワークが連携する場合の要求信頼性決定手法の一考察

摘要

電話網等における伝達網と制御網あるいは，基幹通信網を用いてその上位に構成される所謂オーバーレイネットワークなど，2つのネットワークが連携して機能する構成は多くある．また，通信ネットワークは社会の神経系であり，その故障は最終的には社会生活や経済活動への損失となって現れるが，この場合には，社会生活等を広く抽象的なネットワークとして捉えることも出来る．このように，2つのネットワークが連携して機能する場合には，社会生活や経済活動等に生じる影響を適切な値に抑制するために必要な，通信ネットワークの信頼性を求めることが有用な問題となる．本報告では，社会生活など通信ネットワークの機能で支援される側を被支援ネットワーク，通信網を支援ネットワークとして抽象化し，両者が連携して機能する場合に，被支援ネットワークの便益を維持するために必要な支援ネットワークの信頼性を求めるための手法について考察する．