高圧力下での極超短パルスレーザー照射によるC_(60)分子の重合反応促進

摘要

炭素のsp~2結合ネットワークは一連の物質群を形成するが、特に近年、ナノカーボンと総称される興味深い、機能性材料が見出され、精力的な材料研究が展開されている。フラーレンポリマーの研究はその好例である。図1にC_(60) 分子の結合イメージを図的に示したが、通常ファンデルワールス結合状態にあるC_(60)分子は圧縮することにより比較的容易に接近させることができる（a）。このとき、何らかの手段で接近した炭素原子の結合状態をsp~2からsp~3に変化させれば、（b）に示されるような新しい分子結合が形成できる。これによって3次元的なC_(60)ポリマー合成が実現できる。それはC_(60)の性質を反映し、超硬質、超軽量、超柔軟という特徴を有する新しい物質となる。