FSWツールを用いたAl合金回転ツール点接合におよぼすツールサイズの影響

摘要

スロープもしくはステップ断面を有するショルダーの場合，ショルダー外端とプローブおよび接合界面との距離が大きくなるにつれ，両者が生み出す摩擦熱の熱伝導による接合界面近傍の温度分布は互いに影響をおよぽさない独立した温度分布を重ね合わせた形状に近づくものと考えられる．その結果，ショルダー径を過剰に増加させた場合，接合界面における最高温度上昇に関してプローブおよびショルダーによる摩擦熱の相乗効果が期待できない可能性がある．本研究では，プローブ長さおよびショルダー径を変えた異なる回転ツールを用い，ツール形状の影響を検討した．また，本接合プロセスでは，回転ツールは接合界面位置まで進行せず，接合界面に対して間接的に作用する．回転ツールの間接作用が与える接合界面の運動（塑性流動）について，主として接合前後における接合界面変位の解析を行うことで調べた．