光吸収を超高感度に捉えるフォトントラップ分光法: 固体中・表面上の微量物質への適用を中心に

摘要

微弱な光吸収を測定する手段として，共振器を利用したキャビティ・リングダウン法が広く用いられるようになってきている．この測定法では，反射率が極めて高いミラー（R＞99.9程度）で構成された共振器にパルス光を入射する．ひとたび入射された光は共振器内を往復しミラーに到達する毎に一定の割合（1-R）が出力される．往復回数は数千回に上り，指数関数的な出力光強度波形の減衰時定数が共振器に閉じ込められた光の「寿命」に相当する．