水中への雷電流拡散様相

摘要

一般的に，落雷の対象となるのは周囲より相対的に高い構造物である．そのため陸上では，ビルや鉄塔などの高構造物が，洋上では風力発電風車等が落雷の被害を受けることが多い．また，洋上に構造物はほとんど無いことから，高さは低いが航行中または停泊中の船舶が落雷の対象となり得る．これら洋上における耐雷対策の検討には，水中への雷電流放出·拡散様相を考慮する必要があるが，水中における電流分布については十分に明らかにされているとは言い難い．本研究では，洋上の雷撃対象物から水中に放出された雷電流の拡散様相について時間領域差分法（FDTD法）を用いた数値電磁界解析により検討する．これより，これまであまり検討されてこなかった船舶からの雷電流の放電について考察する．