両親媒性ポリスルホベタインによる水難溶性薬剤の綿布への高効率吸着とその塩水応答溶出挙動

摘要

Antipolyelectrolyte effectを示すN-3-スルホプロピル-N-メタクリロキシュテル-N,N-ジメチルアンモニウムベタイン，メトキシポリエチレングリコールメタクリレートとメタクリル酸ラウリルからなる三元共重合体を合成し，その溶解性に及ぼす塩の効果およびポリマー構造の影響について検討した。 さらに，水難溶性殺菌剤である4-イソプロピル-3-メチルフェノール（IPMP）の可溶化能と，このポリマーの塩感応性を利用した綿布へのIPMPの付着滞留性の向上や塩によるIPMPのコントロールリリース機能について検討した。 合成した三元共重合体は，生理食塩水の塩濃度付近で，その溶解性が大きく変化し，それより低い塩濃度下では可溶化したIPMPを効率的に綿布に付着させ，また処理綿布を塩溶液に接触させるとIPMPを放出し，コントロールリリース機能を示すことが明らかとなった。