DPI技術を用いたサーバおよびネットワークのふくそう制御方式の拡張

摘要

ネットワーク内に設置されたDPI（ディープ·パケット·インスペクション）装置を用いて通過するトラヒックを分析することにより、サーバ毎の利用アプリケーション種別やトラヒック量を従来よりも簡単に把握し、かつ迅速に混雑解消を実施できる可能性がある。そこで、筆者らはネットワーク内に設置されたDPI装置を用いてサーバおよびネットワーク回線の過負荷状態を推定し、過負荷時には一部の仮想マシン移動または一部の通信フロー迂回により混雑を解消するふくそう制御方式を提案した。しかし、DPI技術を用いることの有効性を示すことに主眼を置いていたため、例えば移動させる仮想マシンとその移動先物理サーバは特定した評価を行った。また、サーバふくそうについては、計算能力ふくそうと帯域ふくそうの同時発生を考慮していない。本論文は、従来提案したDPI技術を用いたふくそう制御方式を拡張し、移動仮想マシン候補、仮想マシンの移動先物理サーバ候補、迂回通信フロー候補、迂回先経路候補がそれぞれ複数存在し、状況に合わせて適切なものを動的に選択する方式を提案する。また、サーバふくそうについては計算能力ふくそうと帯域ふくそうの同時発生、回線ふくそうについては通信フロー毎の最大許容ネットワーク遅延、をそれぞれ考慮する。最後に、DPI装置の実機を含む評価システムを使用した動作確認を行い、拡張方式の実現性を示す。