雷から信号設備を守る

摘要

古代，雷は，神の怒りの象徴として人々に恐れられ，雷の被害としては，建物の損壊や火災，また人が雷に打たれて死傷するといった局地的被害がほとんどでした。19世紀後半より，電気エネルギーを輸送するための送配電線等が普及整備されると，これらが雷撃の対象となり，耐電圧性能の高い機器の絶縁破壊により，電気エネルギーの供給ができなくなるといった被害が問題視されるようになってきました。 このため，電力会社の送配電線や電気鉄道の電力線の雷害対策に関する研究が，現在まで活発に実施されてきており，その成果が，被害の大幅な減少に寄与してきたと言えます。