高速光アクセスネットワークにおけるSPM-GVD効果による伝送品質劣化の数値的検討

摘要

伝送速度10Gbpsを実現するPONにおいて生じる、SPM-GVD効果による伝送品質劣化を数値解析した。 OLTの出力パワーが大きく、伝送距離が長い程、SPM-GVD効果による波形劣化が顕著になることが確認できた。 受信端でのパワーとQ値との関係を、分岐数を変化させて数値解析したところ、受信端でのパワーが過少な場合、及び、分岐数が大きくなった場合、伝送可能の目安となるQ値＝7を下回った。 しかし、現在実用的とされている、分岐数が32、受信端でのパワーが-13dBmでは問題なく伝送できることが分かった。また、SPM-GVD効果の抑制方法として、分岐直前において光アンプを用いるアクティブダブルスター(ADS)と、OLT出力においてプリチャープを与える方法を想定し、各々の数値解析を行った。 その結果、ADSでは一定の効果が見られたものの、プリチャープを与えた場合では波形劣化の改善は見られなかった。