屋外通信設備の雷害事例とその対策

摘要

近年，風力発電設備や無線アンテナ鉄塔等の高層建造物への直撃雷が生じた際，近接する架空，及び地下の屋外通信設備において雷害が発生している．この中で架空設備における具体的事例としては，接続端子函内における通信ケーブル接続部の放電損像支持線の損傷，及びコンクリート柱の破損等が挙げられる．落雷による架空設備の損傷は，通信サービスの中断につながる可能性があり，その対策は最優先の検討課題となっている．本報告では，落雷による架空設備の損傷事例を紹介し，そのメカニズムを解明する．さらに，架空設備の雷サージ耐力向上に向けた対策提案について，評価実験に基づいた有効性を示すことにより，施工法の確立を目指す，最後に，これらの結果を踏まえつつ，屋外通信設備における雷対策に向けた課題を示し，今後の雷対策を展望する．