今年度(2003~04年)の第2学期,初めて数学部で講義を持った.週2時間8週間のコースであった.前回はその経緯や,完成間もない数理科学センター(Centre for Mathematical Sciences)の様子を綴ったが,この後編では実際に講義が始まった後の様子,特に学生の受講態度や年度末試験について書いていくことにする.講義名は「一般均衡理論における数学的方法」だったが,ほとんど予備知識を持たない学生を相手に16時間だけ経済学を教えるのだから,その内容についてはなるべく焦点を絞るように心がけた.経済学で使われる数学は多岐にわたるので,なるべく本質的な形で使われる数学の定理,理想的には,経済学上の命題の必要十分条件に近い形で登場するような数学の定理の応用例を紹介することにした.
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