0.9V動作CMOSバイカッドフィルタの一構成

摘要

近年、半導体プロセスの微細化にともない、耐圧の低下から電源電圧が低くなってきている。 デジタル回路は、電源電圧を下げることが容易である。 一方、アナログ回路は電源電圧が低くなると、信号のダイナミックレンジをとることができない。 このため、従来の回路構成にてデジタル回路と同様の電源電圧で動作させることは難しい。 本稿では、平衡構成を持つ低電圧オペアンプを用いたバイカッドフィルタの設計と評価を行ったので報告する。アクティブRCの構成で歪みを小さくできるが、今回は低電圧オペアンプを用い低電源電圧動作でも、低歪みを実現したことがポイントである。 CMOSプロセスで、ICを試作し、電源電圧0.9Vで、カットオフ周波数2MHz、IIP3が23.8dBm、入力換算雑音が-18.5dBμ/(Hz{sup}(1/2))、消費電力1.89mWを達成した。