PAM-4送信イコライザのリアルタイム係数調整手法

摘要

近年，半導体素子の高性能化やネットワーク通信の大容量化に伴い，VLSIシステム内の電気配線における超高速信号伝送の要求が高まっている．通信の大容量化に向け，チップ間配線における高速伝送に対しても送信信号を多倍化するPAM-4などの多値伝送方式の採用が進められている．多値伝送方式を採用することで，ナイキスト周波数を抑え，ビットレートを高めることができる．しかしながら，多値化によって所望のシンボル誤り率を実現するための受信端でのS／N比の要求が高まり，受信端での伝送歪みなどの影響が大きくなる．このため，受信端での伝送歪み除去を目的としたイコライザなどの波形整形技術が必要不可欠である．さらに，受信端でのS／N比を改善するには，伝送環境に応じたイコライザ回路の適応的なパラメータ調整が不可欠である．そこで，本研究では，PAM-4での多値伝送における送信イコライザ調整を目的とした受信端での波形歪み評価手法について提案し，提案手法を用いたリアルタイムでのイコライザ調整を実験により検証した．