電子レンジ雑音環境下におけるBluetoothシステムのビット誤り率特性の解析

摘要

2.4 GHz ISM周波数帯を用いた近距離無線システムであるBluetoothは,同一周波数帯を使用する電子レンジから放射される電磁雑音による通信品質劣化が生ずる.本報告では,電子レンジ雑音をFM－AM波で表現したモデルを用い,Bluetoothシステムのビット誤り率特性に関して基本的な検討を行った.周波数弁別検波器を用いた場合のGFSK信号のビット誤り率理論値をBennettの手法を用いて導出し,計算機シミュレーションによって,理論解析の妥当性を検討した.検討の結果,1）インバータ型(スイッチング電源を用いる)電子レンジじよる干渉の方がトランス型(商用電源を直接昇圧する)電子レンジによる干渉に比較して誤り率の劣化が少ない.2）断続するガウス雑音による雑音モデルを用いた解析結果よりも劣化は少ないことなどが明らかになった．