パレストレイン試験による690合金レーザ多層盛溶接金属の延性低下割れ感受性評価

摘要

東京電力福島第一原子力発電所の事故以降，新しく策定された規制基準のもとで再稼働する原子力発電プラントが徐々に増えつつある．これらの原子力発電プラントでは，安全性·信頼性の維持向上および経済性の向上を両立させるべく，保全の高度化や運転·運用の高度化に向けた積極的な取り組みが行われている．このうち，保全の高度化のひとつとして，加圧水型原子力発電プラントにおける蒸気発生器および原子炉容器管台として用いられているNi基600合金の交換および補修が挙げられる．補修に当たっては，原子炉構造物が高放射線環境下にあるため，放射線の遮蔽のため，水中で補修作業を行う必要がある．従来のアーク溶接法では，水中で安定した施工が困難であるため，近年レーザを用いた肉盛補修方法が提案されている．