屋内電波吸収壁によるマルチパス抑圧効果とディジタル伝送特性改善に関する等価伝送路モデルによる解析

摘要

屋内無線通信において遅延の広がりの大きいマルチパス波が存在すると，短距離見通し内であっても広帯域信号に対しては符号間干渉による誤りが発生する．この問題の改善のため，遅延の広がりを抑える電波吸収天井板の研究・開発が行われている．しかし，実際の電波吸収壁によるマルチパス改善効果が確認されているものの，詳細な伝送特性に関する解析は十分ではない．本論文では，屋内環境において電波吸収壁を設置した場合のマルチパス抑圧効果とディジタル伝送特性改善について，等価伝送路モデルを用いて定量的に解析を行い，その性質を明らかにする．