腹部の複数臓器の統計的同時形状モデルの提案と評価

摘要

単臓器に対する従来の統計的形状モデリング手法は，隣接臓器の形状を考慮していないため，解剖学的に問題のある形状，例えば重複してしまう例が多数見られた．本研究では，異なる2つの形状表現法に基づく複数臓器のための新しい統計的形状モデルを提案する．一つはラベル空間を用いた表現法，他方はレベルセットを用いた表現法である．前者については新しく導入した確率を用いた複数臓器の同時形状モデルを提案する．また，後者については，形状と姿勢について別々にモデル化し，それらを統合した階層的モデルを提案する．本報告では，15症例の3次元腹部CT像上の14臓器·組織を用いて構築したモデルの性能を未知の8症例により評価した結果を示す．