DTNにおける輻輳状態を考慮したデータ交換方式

摘要

継続的なネットワーク接続が不可能な通信環境においてもEnd-to-Endの通信を可能にする通信方式として，DTN（delay／disruption-tolerant networking）が検討されている．DTNにおける代表的なルーチング方式として通信可能な全てのノードに保持データの複製を送信するEpidemic Routingが存在する．Epidemic Routingは，網資源が十分に存在する場合には最も優れたEnd-to-Endのデータ到達性と遅延性能と示す一方で，網資源が不足した場合には性能が著しく劣化するという課題がある．本稿では，Epidemic Routingを網資源が十分でない状況下で用いた場合でも性能を向上させるデータ交換方式を提案する．そして，バッファ制約下と通信速度制約下それぞれにおけるシミュレーション評価により提案方式の有効性を示す．