レーザ·アークハイブリッド溶接の低温割れ発生に関する力学的検討

摘要

レーザ発振器の性能向上により，橋梁や船舶などの大型構造部材の接合におけるレーザ溶接の適用が拡大してきている．また，レーザ単独での溶接における開先ギャップ裕度や欠陥発生の観点から，レーザ·アークハイブリッド溶接（以下，ハイブリッド溶接）の有用性が認識され，実構造物への適用が検討されている．ハイブリッド溶接においては，継手形式や板厚に応じて適切な溶接条件を選定することが施工上重要となる．ハイブリッド溶接の条件は，レーザおよびアークの入熱量，溶接速度の他，開先ギャップ，レーザヘッドおよびアークトーチの設置角度，レーザのスポット径および焦点はずし距離，シールドガス流量など多岐に渡り，健全な継手を得るための溶接条件に関する種々の検討がなされている．力学的観点からは，各熱源の入熱量および溶接速度がひずみや応力，変形に大きく影響を及ぼすことが報告されている．