光3R装置が有するジッタ耐力に関する実験的検討 ジッタ伝達関数とジッタ耐力との関係

摘要

ITU-T G825の規定に従い，最大80MHzまでのジッタを光3R装置に与え，ジッタ伝達関数とジッタ耐力に関する実験的な評価を行った．40Gbit/s送受信器を直接接続した構成において，それらの間に光3R装置を挿入した構成と挿入しない構成により得られるジッタ特性を比較した．その結果，光3R装置によるジッタ抑圧効果が得られなかった低周波数帯においては，光3R装置の挿入によるジッタ耐力への影響は極めて少ないことが明らかになった．一方，光3R装置の挿入により，高周波数側のジッタに対して最大21.2dBの抑圧効果が得られたものの，光AND処理を行う際に発生するデータパルスとクロックパルス間の位相ずれにより，低周波数側と比較して3dB程度のジッタ耐力低下が発生することが明らかになった．これらの実験的検討により，光3R装置を用いる場合，ジッタ抑圧効果とジッタ耐力低下との間にトレードオフの関係が存在することが定量的に明らかになった．