温度／pH応答性ヒドロゲルによる薬物放出制御

摘要

近年，薬物の放出過程を制御することを目的とした薬物送達システム（Drug Delivery System，以下DDSと略称）が注目されている。 DDSを実現させるための薬物担体として，刺激応答性高分子材料を用いることが検討されている。 とくに，三次元構造を有し水分子を含有する能力が高いヒドロゲルは薬物担体として期待され，盛んに研究が行われている。 このヒドロゲルに何らかの外的刺激を感知する官能基を組み込むことにより，ヒドロゲルはその刺激に応答して可逆的に膨潤-収縮の相転移を繰り返す。