ダイヤモンドおよびDLCのDNAチップ基板への応用

摘要

WatsonとCrickによるDNA二重らせん構造の発見から50年が経過した。 これを契機としてDNAの研究は進展を続け，1990年代に始まったヒトゲノムプロジェクトで30億の塩基配列が決定されたことにより，DNA情報を様々な分野に利用するための基盤が整ったと言える。 DNA情報の利用分野としては，作物の改良や害虫に対する耐性を向上させる農業分野や，微生物や酵素などの有効利用といった環境分野を挙げることができる。その中で最も期待されるのは，特定の遺伝子が関与している遺伝病や，感染症や癌を始めとする疾患の診断などの医療分野であり，現在様々な遺伝子解析用ツールの開発が行われている。