本研究では、InAlN High electron mobility transistor(HEMT)構造におけるショットキーゲートリーク電流と転位密度の相関を明らかにするために、GaN自立基板およびサファイア基板上に作製したInAlN HEMT構造のゲートリーク特性を評価した。InAlN HEMT構造の転位密度は、GaN基板上が1.8×10~4cm~(-2)、サファイア基板上が1.2×10~9cm~(-2)であった。GaN基板上のInAlN HEMT構造では転位密度の低減により、順方向バイアス領域において3~4桁程度の大幅なリーク電流の減少が確認できた。一方、ピンチオフ電圧以下の逆方向バイアス領域においては、顕著なリーク電流低減効果は見られなかった。低バイアス領域の電流輸送機構については貫通転位を起点としたFrenkel-Poole伝導が、高バイアス領域においてはInAlNバリア層中の強い内部電界に起因して電界放出に基づくトンネル電子輸送が関連しているものと考えられる。
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