混合ベータ分布を用いたDuty Cycleのモデル化の一検討

摘要

本論文では，周波数利用統計情報の一つであるDuty Cycle（DC）に関して，短期間DCの統計値のモデル化及び短期間DCの分散のモデル化に関する検討を行う．従来研究では，短期間DCの平均に関して時間軸に対する決定論的モデル化が行われてきた．一方で，短期間DCはランダムであり，短期間DCの分散に関しても時間軸に対する決定論的モデル化の適用が可能であることが確認されてきた．また，ある時間における短期間DCの分布（確率密度関数）は混合ベータ分布でモデル化すると，より高精度にモデル化が可能であることも確認されている．我々は，まず混合ベータ分布において短期間DCの平均と分散の間に関係式が成り立つことを示す．さらに，その関係式のパラメータを短期間DCの平均に関する多項式関数でモデル化し，短期間DCの分布の時間軸に対する決定論的モデルを導出した．これにより，カルバック·ライブラー（Kullback-Leibler：KL）ダイバージェンスを用いてそのモデルの精度とパラメータ数に関する検討と，本モデルの妥当性を示した．