ディジタル制御方式DC-DCコンバータのソフトスタート特性の比較について

摘要

近年，情報量の増加に伴い，データセンターや通信センターにおける消費電力が増加しており，サーバーやルータなどのICT機器の消費電力は2011年から2025年の間で約5倍になると予想されている。こうした背景から，ICT 機器の低消費電力化，施設内のエネルギーマネジメントが重要になっている。この課題を解決するために，施設の高効率化が望める高電圧直流システムが注目されている。図1にデータセンター内の高電圧直流システムを示す。このシステムは，スイッチング電源の数を減少させ，交流給電システムよりも高い効率を実現することができる。またこの時，接続された機器を停止状態や待機状態に切り替えることは消費電力を削減するうえで非常に有効である。スイッチング電源であるDC-DCコンバータは起動時に定格を超えた突入電流と出力電圧のオーバーシュートが発生するため，ソフトスタートを用いることで電圧を安定化している。