OFDMを用いるEvolved UTRA下りリンクにおける報知チャネル構成の検討

摘要

本稿では，OFDM無線アクセスを用いるEvolved UTRA下りリンクにおける報知チャネル(BCH: Broadcast Channel)について，PrimaryおよびNon-Primary BCH情報の分類を行い，それぞれのBCH情報の特徴を考慮した最適なチャネル構成について検討する．提案構成では，最大20MHzまでのマルチ周波数帯域に対応するために，システム帯域幅に関わらず，BCHは各セルの信号帯域の中心部分から送信する．Primary BCHは，移動局のセルサーチの処理の簡単化のために，1.25MHzの信号帯域幅で送信される．また，高品質受信を実現するためにパケット合成を行う時間ダイバーシチを適用する．一方，Non-Primary BCHは周波数ダイバーシチ効果を得るため，システム帯域幅が5MHz以上の場合には5MHz以上の広帯域信号で送信する．計算機シミュレーションにより，BCH受信における，周波数·時間ダイバーシチの効果を検証し，時間ダイバーシチを適用した1.25MHz帯域で送信するPrimary BCHと，周波数ダイバーシチ効果を得るために10MHz帯域で送信するNon-Primary BCH情報は，低速移動環境（最大ドップラ周波数が5.55Hz）において，それぞれのダイバーシチによる同等の特性改善を得ることができ，平均パケット誤り率が10{sup}(-2)を満たす条件で，ほぼ同等のシンボル当りの平均受信信号電力対雑音電力密度比(E{sub}/N{sub}0)を実現できることを示す．