アクアポリンの1/fらぎと水分子透過

摘要

アクアポリンのアミノ酸残基のゆらぎと水分子透過の関係について明らかにするために、アクアポリン／脂質二重膜／水分子の系についてMDシミュレーションを行った。その結果、アクアポリンのアミノ酸残基は1/fらぎをしており、非ポアソン性の相関のある水分子透過をしていることを明らかにした。最後に、カーボンナノチューブ（CNT）膜と電場を用いた、水／メタノール混合溶液における水分子の分離に関する研究を紹介したい。メタノール／水／CNT膜系では、電場付加がない場合、CNT内のメタノール濃度は高くなるが、CNTのポア方向に平行な電場を付加した場合、CNT内に水分子が螺旋構造を構成し、水分子のみがCNT内に存在し、水／メタノール混合系で水を分離できることを示した（図3）。