仮想データリンク·エミユレーションとプロトコル開発

摘要

本論文では，仮想ネットワークに対してプロトコル仕様や実装を行うことで拡張性や移植性を得る手法を提案し，議論する．リンクステート型経路制御技術やブロードキャスト技術などのグラフ抽象化を基礎にする技術は，本質的に特定のネットワーク技術に依存しない．現状では，これらの技術は特定のネットワーク技術で定義される識別子や通信方式を直接利用するために，他のネットワーク技術への移植性やヘテロジニアスなネ、．ソトワーク環境への適応性を低下させている．これらの技術を仮想ネットワークに対して設計，実現し，様々なネットワーク上で仮想ネットワークをエミュレートすることで，移植性とヘテロジニアスなネットワーク環境への適応性は向上する．本論文では，仮想ネットワークを構成するために，同一のメディアアクセス制御方式を提供する仮想デpタリンクANCIFとエミュレートする手法，ANCIFを用いたプロトコル開発について述べる．また，実際にANCIFを様々な実ネットワーク上に適用，実装を行い，仮想化によるプロトコルオーバヘッドを測定した．その結果非常に小さいオーバヘッドであり，性能に影響するほどではなかった．股後に，ANCIFを用いることによって得られる，他のネットワーク技術への移植性やヘテロジニアスなネットワーク環境への適応性について論じる．