意味構造を考慮した表の操作手法

摘要

既存の表操作を行うアプリケーションでは，表の操作に伴うセル間の関係構造（意味構造）の維持は人力によって行われている．しかし，それでは大量のデータを効率よく適切に操作することは難しく，限界がある．そこで本稿では，このような問題を解決するため，表の意味構造を維持しながら編集操作を安全にかつ効率よく行うためのコンピュータ支援の手法を開発する．そのために，まず，ある種の表が従うべき意味構造上の規則（意味構造規則）とそれを定義する文法（意味構造記述文法）を開発し，実際の表が構成している意味構造を表現するグラフによるモデル（意味構造表現グラフ）を提案する．さらに，このモデルを基にした表の操作アルゴリズムを開発し，プロトタイプ·システムの実装を行う．