断層地表亀裂による熊本益城町の管路破壊に関する分析

摘要

本論文では、益城町水道で断層横断管路の被害 メカニズムを検討した。従来の断層横断管路の被 害モードと比較するとともに、地表断層亀裂の現 地調査を行い、管路被害位置で表面波探査を実施して地盤状況を把握した。さらに、簡易な断層横 断管路の実験を行い、2ヵ所での管路被害モード を再現できるか検証した。その結果、断層線と管 路の交差角、継手特性、管路継手の位置、周辺地 盤の剛性などが満足すれば、ダクタイル管本体長 柱座屈は一般的に生じ得る被害メカニズムである ことが知られた。断層横断管路の設計法や耐震化 対策が不十分な現状では、研究開発が急がれる。 現地調査については、荒木栄一（益城町·水道課)、 今中利信（NPO防災白熱アカデミィ）、鍬田泰子 (神戸大学)、竹内裕希子（熊本大学)、東俊司（積 水化学工業（株））の各氏およびそれぞれの関係者に 大変お世話になりました。記して感謝の意を表す 次第です。