1974年,Deutschにより,1オクターブ離れた2音を交替させることで生じる時間依存的錯聴(オクターブ錯聴)が報告された.それは,初めに右耳へ高音(800Hz)と左耳へ低音(400Hz)を同時に呈示し,次に左右の音を入れ替えて呈示するということを繰り返した場合に,被験者は,初めの呈示音では右耳で高音を知覚し,左耳では音の知覚をせず,次の呈示音では右耳では音の知覚をせず,左耳で低音の知覚をするというものである(図1).本研究では,これまでほとんど報告のないfunctional Magnetic Resonance Imaging(fMRI)計測によるオクブ錯聴の計測と解析を行い,種々の錯聴知覚と錯聴にする脳の活動部位の特定を試みた.
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