閘野県閘野市における都市域の垂直温度計測

摘要

近年夏の日中の暑さに対する関心の高まりとともに、都市の暑熱緩和対策に関する研究が盛んになってきている。また自治体によっては条例等に夏季の暑熱対策を盛り込むことも多くなってきている。都市熱環境に対する意識の高まりにより、都市域における熱環境制御として様々な方法が考え出されてきたが、適切な対策を考える際には地域の気候特性を把握することが重要である。　近年コンパクトシティの考え方や、中心市街地の活性化#12539;再生のための市街地再開発事業により、中心市街地に新たに5、6階建程度以上の中高層マンションやオフィスビルが建てられるようになり、地方都市である長野市も同様である。しかし、中高層のオフィスビルやマンションが増えつつあるにもかかわらず、中高層階における屋外熱環境についての把握は進んでいない。冷暖房負荷、省ェネ性能の検討のためにも屋外熱環境の把握は重要である。そこで本研究では、10点の測定点において、地表から1.5m、10m、30m程度の高さに測定器を設置し、長期実測を行うことによって、中高層階における屋外熱環境の一端の把握を行うことを目的とした。