電源の安定供給について

摘要

わが国の電気事業は電気事業法に基づき，「電気の使用者の利益の保護」「電気事業の健全な発達」等を図ることを目的に，各種の事業規制が電気事業者に課せられている。 わが国においては，一般電気事業者（東京電力㈱，関西電力㈱等，従来から各地域で独占供給を行っている電気事業者）による発送電一貫体制（発電から送電，需要家への小売までを一つの事業体が一貫して行う体制）が制度の基本となっており，一般電気事業者が電気事業制度を支える重要な責務を担っているという観点から，安定供給に関して一般電気事業者には厳しい規制がかけられている。 具体的には，一般電気事業の許可に当たっては，許可を受ける事業者の供給力の安定性という点から，供給地点における需要と供給力の適合性，事業者の経理的基礎#12539;技術的能力，計画の確実性，電気工作物が需要に適した規模（著しく過剰となっていないか）か等の厳しい判断がなされている。