内部鏡型633nm He-Neレーザの単一モード発振における特異な偏光特性とその動作機構

摘要

内部鏡型633nm He-Neレーザにおいて，単一モード発振する同一仕様のレーザ管の偏光特性を測定した．その結果，レーザ管長の温度変化による共振条件の連続的な変化に伴い，偏光方向が一定の方向を保持するものと，その直交方向の間で連続的にスイッチするものに大別できることを見出した．この動作機構を解明するために，直交偏光モードを考慮した2モード方程式を用いてシミュレーションを行った．その結果，レーザ管の微小な損失と位相の異方性の存在により生ずる二っの偏光（自然）軸に関し，これらの異方性の量的な相違によりこの特異な偏光特性の生ずることが判明した．また2モード間の空間ホールバーニング効果がスペクトラルホーレバーニング効果と同程度に存在していることも判明した．