薬剤性肝障害が病態を修飾したと考えられた非アルコール性脂肪性肝炎（NASH）の1例

摘要

近年，わが国でも生活習慣病が増加しており，それに伴い非飲酒者の脂肪肝が多く認められるようになった．一般に脂肪肝は線維化を伴わず，肝硬変へと進行することはない予後良好な病態として，食事療法などで加療されてきた．ところが，脂肪肝の中に実質の壊死，炎症や線維化を伴う病態が存在することが報告された.またその中の一部は肝硬変にまでいたることが明らかとなっているが，原因に関してはまだ不明な点が多い．