小型光ファイバ増幅器·ファイバレーザ実現に向けたEu-Alポリマーコンポジット添加光導波路の作製と評価

摘要

誘導放出により特定波長の光を増幅する希土類イオンは，ファイバ型光増幅器やファイバレーザなど様々な光増幅デバイスに利用されている．これらの希土類添加光増幅デバイスに対しては，微細·高出力加工の目的で他機器への組み込み使用が期待され，小型化と高効率化が求められる．しかしながら，光増幅器実現のために希土類イオンを高濃度添加すると濃度消光により十分な利得が得られないことが知られている．そこで，この希土類イオンの濃度消光を抑制可能な新規材料として希土類－金属（例としてEuropium（III）-Aluminum（Eu-Al））ポリマーコンポジットが株式会社KRIにより開発された．これまでに，我々は，本材料を使用してポリマー光導波路を作製し，側面励起によるVSL法に評価にて光増幅利得を観測している．本研究では同材料をコア材料とし，Mosquito 法にて様々なコア径や導波路長を有する光導波路を作製し，光増幅器の形態として望まれるシングルモード化を試みる．また，実用性に優れる同軸励起により誘導放出光を直接測定し，作製した希土類添加光導波路の光増幅性能をより高精度に評価する．