マルチキャリヤ通信技術を応用した分散トーン方式による電力線モデム通信方式

摘要

日本のエコーネットコンソーシアムによって規格化が進められた電力線モデムの通信方式の検討結果を報告する．現在実用化されている電力線モデムの変調方式の一つに，直接拡散（DS）によるスペクトル拡散（SS）方式があるが，この方式の場合，与えられた帯域をほぼ埋めつくすスペクトルを送出してしまうため，他の狭帯域通信方式と同時に共存が困難なこと，CDMAやM-ary／DS変調を行わない場合は周波数利用効率が低いこと，等の問題がある．この問題を解決するために，ディスクリートマルチトーン技術を応用した分散トーン方式を考案した．また，あらゆるノイズ環境に適応的に対応するために，トーンセットの変更を可能とし，その特性を解析した．更に，トーンの周波数互換性を保つことによって高速化への拡張性が可能であることを示した．