DSPを用いた降圧形DC-DCコンバータの定常特性の比較

摘要

本論文では，P-I-D制御，最小位相FIRフィルタ及び移動平均を用いた各ディジタル制御方式をDSPにより構成した場合の各制御係数と降圧形DC-DCコンバータの出力電圧安定化特性の関係を明らかにする．更に，リミットサイクルに基づく振動現象を抑制するという観点からディジタル制御の方式及びその制御係数の比較検討を行う．その結果，量子化幅が約80mVの8ビットのA-D変換器を用いた場合，最小位相FIRフィルタ及び移動平均ではほぼ同様の良好な結果が得られ，10Vの目標値に対して軽負荷時から定格2Aまでの変化に対して1.3％以下の良好な出力電圧安定化特性が実現でき，更に振動は20mV以下に抑制できることが分かった．P-I-D制御方式では，十分な出力電圧安定化特性は得られたが，そこまで振動を抑制することはできなかった．