抵抗皮膜と磁性材を用いたDSRC用電波吸収体

摘要

本研究では,抵抗皮膜と磁性材であるソフトフェライト板を用いた電波吸収体に着目し,DSRC(Dedicated short Range Communication)の目標値を満足する広角度用電波吸収体の実現を試みた。 そのために,まずソフト フェライト板の厚みと抵抗皮膜の面抵抗値の組合せに対する設計チャートを示した。 そしそその設計チャートを用いて,設計した結果をもとに実際に電波吸収体を製作し,吸収量の測定を行った。 その結果,直線偏波において周波数5.8 GHzにおける垂直入射時の吸収量は約30 dB得られ,また円偏波における角度特性の測定結果はDSRCの目標値を満たすことがわかった。そしてこれらの検討結果から,厚み5.5 mm程度でDSRC用薄型電波吸収体の実現可能性が示された。