近年の集積回路の微細化により,アンテナダメージによる信頼性の低下が懸念されている.本稿では,アンテナダメージによる経年劣化(BTI,Bias Temperature Instability)への影響を評価する.評価回路には発振経路1ヶ所のアンテナ構造を変えたリングオシレータを用いる.アンテナ比5k以下であるアンテナダメージの小さい構造では,NBTI(Negative BTI)への影響はダメージを受ける構造と緩和する構造とで同じであった.アンテナ比50kのアンテナダメージの大きい構造ではNBTIが増加した.アンテナ比50kでもPBTI(Positive BTI)は発生せず,ポリシリコンゲートではPBTIが発生しないことを確認した.バルクとSOTB(Silicon On Thin BOX)でBTIの傾向が同じであることから,SOTBでもアンテナダメージを緩和できる.ダメージを緩和するにはアンテナをドレインにつなげることが有効である.
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