実験計画法を用いた垂直磁気記録媒体の磁気特性の解析

摘要

実験計画法を用いて垂直磁気記録媒体のCo/Pd多層膜の試料を作製し，その磁気特性解析を行った．本実験範囲では，記録層とシード層に添加するB濃度や成膜時のガス流量等の微細組織に影響する因子によって磁気特性が変化することが明らかになった．さらに，保磁力と記録層の摩Cぞd (111）面間隔に強い相関があった．X線光電子分光法を用いて膜厚方向の元素分析から，シード層から記録層にかけてBの濃度勾配が形成されていることがPd (111）面間隔を変化させる一要因であることがわかった．実験結果より各因子を最適化した試料の磁気特性は，分散分析に基づいて計算された予想値と良い一致を示した．