相互結合型ニューラルネットワークを用いたパケットルーティング手法に関する一考察

摘要

近年，モバイル端末などの普及により，インターネット利用者が増加しており，このため，ネットワーク上を流れるデータパケットが急激に増加している．また，ネットワーク上を流れるパケットの増加により，ネットワーク内にパケット混雑が発生していることが予想される．ネットワーク内にパケット混雑が発生した場合，パケットの遅延や損失が生じてしまう．これを回避するための方法として，効率的なルーティング手法の提案が望まれている．効率的なルーティング手法の一つとして，相互結合型ニューラルネットワークを用いた手法が堀口，石岡らによって提案されている．この手法は，相互結合型ニューラルネットワークにおけるエネルギー最小化原理を用いて各パケットの最適経路を探索する．本稿では，形状が規則的なネットワークと不規則的なネットワークの2種類のネットワークに対して，ネットワーク内のパケット数を固定した場合と，ネットワーク内のパケット数を変化させる場合における評価を行った．計算機実験の結果から相互結合型ニューラルネットワークを用いたパケットルーティング手法は，形状が規則的なネットワークに対して良い性能を示すことを確認した．