故障規模を考慮したネットワーク不稼動率実態値の簡易推定法

摘要

通信ネットワークの信頼性を測る尺度として，サービス不稼動率が広く用いられている．しかし従来用いられてきたサービス不稼動率は，特定，あるいは任意の1ユーザに対する尺度であるため，故障により影響を受けるユーザの規模と不稼動率の関係が陽にわからないという問題がある．本論文では，不稼動率という信頼性尺度に対し故障規模のパラメータを取り入れ，通信ネットワークの信頼性実態値を簡易に推定する方法を提案する．また，提案手法を実際の通信ネットワークの障害分析に適用した評価例を示し，既存不稼動率との整合性及び計算量削減の点で有効であることを示す．更に，提案手法の推定精度を定量的に検証，考察し，その適用範囲を明らかにする．