HBVが肝細胞に感染すると,その複製過程でcccDNAが形成され,キャリアのみ ならずHBs抗原陰性の既往感染例でもこれが核内に残存している.このためHBV 感染例は,免疫抑制?化学療法を実施するとウィルス増殖が活発になり,これに起因 する肝炎を発症する場合がある.HBV既往感染例のウィルス再活性化による肝炎を de novo B型肝炎と称するが,劇症化する頻度が高く,予後不良である.厚生労働省 研究班は2009年にその予防ガイドラインを発表し,これは日本肝臓学会のガイドラ ィンに引き継がれたが,いまだ再活性化による急性肝不全症例は根絶できていない.
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