杭の支持層確認のための地盤調查（建築基礎）

摘要

建築物を対象とした地盤調査は，昨今の杭の支持層の 問題を契機に，1物件当たりのボーリング調査箇所数が 増加する傾向も一部では見られている。建築物の地盤調 査における施主の認識の変化や構造設計担当者の努力の 現れと見ることもできる。建築物の設計は，一般には基 本計画，基本設計，実施設計，設計監理の段階を踏んで 進められるものであり，地盤調査も図-1に示すように， 各設計段階に応じて事前調査，本調査，追加調査の段階 をもって進められることが基本である。すなわち，建築 物における設計と地盤調査は一体であり，基礎設計と合 わせて地盤調査も構造設計者の責任において行われるこ とが必要である。また，各段階で合理的で必要かつ十分 な調査を行うことは当然であるが，当初の想定から異 なった地盤状況などが出現した場合には，追加地盤調査 の計画?実施の判断が特に重要であり，その認識を持つ ことが，構造設計者のみならず，施主においても理解を 得られることが必要である。