ある進行波パターンを利用するセンサネットワークのための適応的データ収集手法の提案

摘要

無線センサネットワークにおいて，データ収集基地局となるシンクノードへの効率的なデータ収集を行うために，各ノードの通信タイミング形成に進行波パターンを利用する手法が提案されている．この従来のデータ収集手法では，各ノードがシンクノードからのホップ数情報を元に他ノードとの通信タイミング差を設定することが前提となり，そのためホップ数情報をパケットで伝達しツリー構造を構築することが必要になる．本研究では，ホタルの同期明滅現象で実際に観測されている進行波型の明滅パターンのモデルを利用することにより，短いパルスでの相互作用により自律分散的に進行波型の通信タイミング形成をする手法を提案する．さらに，進行波パターンの形成とその条件を示し，より適応的かつ効率的なデータ収集が可能となることを示す．