As Oneで実現する未来工場－企業価値を向上させる設備保全部門の重要性－第1部 企業価値向上策としての工場の最適化

摘要

国内の製造現場を訪問し、近年肌で感じることは大きく2つある。1つは「周辺環境の変化とその早さ」である。海外を含めた企業の大型合併やグループ化にはもはや驚かなくなった。技術の進歩は言うに及ばず、資材調達のグローバル化やグローバルマーケットでの市場のシフトは工場の海外進出を加速し、多種多様な業務課題が顕在化している。国内では衛生·安全·環境（HSE）や情報の取扱いに対して社会的な監視がますます強くなっている。2つ目は「工場全体や企業全体の視点ではまだまだ業務効率化や体制に大きな改善課題が残されている」ということである。現場最適化は限界以上のレベルに達しており、残念ながら過度な人員削減に起因すると考えられる産業事故も発生している。そこで、10年後の工場を考える上で、「過去10年の設備保全業務の比較」および「経営課題と設備保全現場の課題の比較」をもとに、現在および未来に向けた製造業の課題を考察したい。