アナタースおよびルチル透明薄膜の作製と照射光波長によるメチレンブルー水溶液の脱色

摘要

二酸化チタン薄膜を作製し，その膜の性状を調べ，照射する光の波長によるメナレンブルー水溶液の脱色を検討することで両者の光触媒としての機能を比較した。 二酸化チタン光触媒は，ゾル#12539;ゲル法によりガラス上にコートして作製した。 550℃で焼成した二酸化チタン薄膜はアナタース相，750℃で焼成したものはルテル相であった。 結晶粒径はアナクース薄膜で10～17nm，ルテル薄膜で100～200nm，比表面積はアナタース薄膜で198cm~2/g，ルチル薄膜で76.9cm~2/gであった。 暗所でアナタース薄膜はルチル薄膜に比べて約3倍のメチレンブルーを吸着した。 波長ごとのメナレンブルー水溶液の濃度の減少は約400nmから低波長側で起こった。340～392nmではアナタース薄膜のほうがルチル薄膜に比較して光子1個当たりに換算した吸光度の減少は大きかったが，314nm以下ではほぼ同等であった。